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書評: DECの興亡―IT先端企業の栄光と挫折

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「DECの興亡」を読んだ。

著者のエドガー・H・シャインは、長年DECのコンサルタントを勤めた人物で、本書を見る限りCEOのケン・オルセンとの距離も非常に近く、DECの社内運営にも深く関わった人物。

ある意味DECのインサイダーであり、著名な組織文化の研究家でもある著者が送る、偉大な企業・DECが潰れるに至った経緯。



この本が繰り返し主張することは、DECという企業が終始ケン・オルセンという人物の個性そのものであった、ということ。

特筆すべきなのは、ケンが部下に会社としての方向性を指示することがまったくといっていいほどなかった、という点。

社員は、すべきことを自らが決めることを求められ、個人間や組織間で利害の不一致が生じる場合は、徹底的な議論によって着地点を見つけることを求められた。

ケン自身は、部下に何かをしろと指示することはなく、議論を活発化させる役割に徹していた。

この「するべきことは自らが決める」方針は、会社が小規模の組織で、売上も右肩上がりで伸びていたDECの創世記では問題となっておらず、むしろ良い影響を与えていたともいえるのだが、次第に組織が肥大化していくに従って、組織間がまったく連携をとろうとせず、熾烈な政治闘争が生み出される原因となってしまう。

そして、各組織が非効率な政治闘争に明け暮れていた真っ只中にあっても、ケンの「自らが積極的に介入しない」という姿勢により、それが是正されることはなかった。

1998年、DECはコンパックに買収され、企業としてのDECは姿を消した。



DECは新興市場であるPC市場に飲み込まれようとしているにも関わらず、対応が後手後手となり、企業として適切な対応をとることができなかった。

この本の終わりには、DECは消えたが、元DECの人材はIT企業の各所で大活躍しており、今もDECの魂は生き続けているのだ、といった風に結ばれている。

人材もそうだが、現在DECは「破壊的イノベーションに対応できなかった企業はどのような末路を辿るのか」という、イノベーションのジレンマを説明する際に使われることが多いように思う。反面教師として、DECが遺したものも大きかったのではないだろうか。

総評

良い本だと思います。「イノベーションのジレンマ」と合わせて読むといいかも。

DECの興亡―IT先端企業の栄光と挫折

DECの興亡―IT先端企業の栄光と挫折

  • 作者: エドガー・H・シャイン,ピーター・S.ディリシー
  • 出版社/メーカー: 亀田ブックサービス
  • 発売日: 2007/05
  • メディア: 単行本
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イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press)

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